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ISO 14001 規格改訂情報

ISO 14001 改訂情報

ISO 14001改訂、いよいよ最終段階へ ― FDIS(英語版)発行のお知らせ

ISO 14001:FDIS(英語版)が発行されました
2026年1月5日にISO 14001:2026のFDIS(Final Draft International Standard/最終国際規格案)の英語版が発行・発売されました。
FDISは、国際規格として正式発行される直前の最終段階の文書であり、これまでのDIS(Draft International Standard)へのコメントや投票結果を反映した内容となっています。

FDISとは?

FDISは、以下のような位置づけの文書です。
• 国際規格(IS)発行前の最終ドラフト
• 原則としてISに向けて大幅な内容変更は行われない
• 編集上の修正や最終確認が中心
そのため、FDISの発行は「規格改訂がほぼ確定した段階」と捉えられます。現時点では、FDISの対訳版(日本語版)は発行されていません。


FDIS と DIS の違いについて
結論:FDISで要求事項の「中身」はほぼ変わっていません。DISで示された要求事項が、FDISでは確定・固定されたととらえて差し支えありません。

実務的な意味としては、
新しい要求事項の追加:なし
要求の強化・緩和:なし
構造・箇条番号・要求文の再変更:なし

FDIS段階では、文言の最終調整、Annex A(附属書:規格に関する解説)の整合・翻訳・投票用の体裁確定が主目的であり、運用に影響する差分はありません。
※ DISで対応方針を決めていれば、そのままFDISに適用可能です。


今後の流れ
1. FDIS(英語版)発行
2. 正式な国際規格(IS)として発行
3. その後、JIS Q 14001:2026()・対訳版が順次発行
というスケジュールが一般的です。

対訳版を待ってから内容確認を行う企業も多いですが、早めに改訂の方向性を把握したい場合は、英語版FDISでの確認が有効です。現在では生成AIや各種機械翻訳の精度が向上していますので、英語が苦手な方も、チャレンジしてみてはいかがでしょうか。


今後の対応ポイント
ISO 14001の改訂を見据え、以下のような対応が考えられます。
• DISからの主な変更点の整理
• 既存の環境マネジメントシステム(EMS)への影響確認
• 将来の移行審査を見据えた情報収集

当社では今後、FDISの内容を踏まえた解説や、対応ポイントをわかりやすく整理した情報を順次発信していく予定です。

全体の方向性

 

2026年に予定されているISO 14001改訂の方向性は「明確化と統一」です。新たに要求事項が追加されたり、既存のものが削除されたりするのではなく、ISO全体の共通構造(Annex SL)の改訂に合わせて、文言や順序がより分かりやすく整理される形です。

そのため、既存の仕組みを維持しつつ、活動の有効性を高めることが求められます。大幅な変更ではありませんが、次の3つのポイントを意識して「説明や文書の補足」を行うことで、改訂版への対応もよりスムーズになるでしょう。

 

1️⃣ 気候変動への配慮が明確に

 

組織の状況(4.1)や利害関係者(4.2)の分析に、「気候変動」や「異常気象」「温室効果ガス」などの観点を加えることが求められます。活動内容を大きく変更する必要はありませんが、既存の環境側面評価や外部課題リストに、気候変動を意識した項目を追加することで適切に対応できます。


 

2️⃣ 変更の計画(6.3)の明文化

 

設備更新や原料変更など、環境マネジメントシステム(EMS)に影響する変更を計画的に管理することが新たに明確化されました。多くの組織ではすでに同様の取り組みを行っているため、「変更時には環境影響を事前に確認する」と手順書に追記することで対応可能です。


 

3️⃣ 監査・レビューの説明を強化

 

内部監査では「目的」を明示し、マネジメントレビューでは「すべてのインプットを扱う」ことが明確化されました。つまり、形式的な実施から“意図をもった運用”へと進化します。現行手順を活かしつつ、監査計画やレビュー議事に目的や確認項目を明記することで、より効果的な運用が可能になります。


 

まとめ

  • ISO 14001改訂にあたって、これまでの環境マネジメントへの取り組みを大幅に変更する必要はありません。
  • 文書や説明を補足することで対応可能です。
  • 特に、「気候変動」「変更管理」「監査目的」を意識しておくことで、改訂版へのスムーズな移行が実現します。

この情報は、現行のISO 14001:2015と2025年発行のDISとの差分を当社独自に整理・邦訳したものです。あくまでも参考情報としてお取り扱いいただき、正式な対応にあたっては、最終的に発行されるIS版を必ずご確認くださいますようお願いいたします。

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